「箸タイマー」商標取得物語
- 徳永武史(ぺけぺけ)

- 9月24日
- 読了時間: 8分
更新日:9月25日
記:箸タイマー ぺけぺけ(徳永)
2025年6月28日に大阪で開催された「知財ふれあいフェスティバル」に参加して改めて「知財」の大切さを学んだからでしょうか、箸タイマーの‛なかなか’から「箸タイマー」の商標登録を提案されました。
そうだ!それって大事だ―‼
なんで今まで気づかなかったんだろう。箸を使ったゲームは世の中にはけっこうあります。
将来その中でインストラクター的な働きをする人が、知らずに「箸タイマー」を名乗っても不思議はない。で、その人をすでに有名になった?私達だと勘違いしてイベントの予約殺到という事態が発生!ご迷惑をおかけしてしまうかも。。(まだ当分はないと思うケド(笑))
「箸タイム」という商品は、製造しているKomyが特許も商標も取得しています。「箸ピー」「箸リン」「積みピー」「箸技」などの商標も取得済み。ならば、お世話になっている弁理士事務所にお願いするのが通常の流れ。
しか~し、「箸タイマー」は生まれも育ちも国際箸学会だからな~と悩んでいると。いつも無償でピーナッツトロフィーや、たのしい造形物を提供してくれている顧問の‘かばちゃん’から「自分でやってみたら?面白いですよ」
箸研究部の部長の‘かばちゃん’は、インダストリアルデザイナー。
いつも自分で出願しているようです。
「箸タイマー」は脳が刺激される新しいことが大好き!
んじゃァやってみっかー。
‘かばちゃん’からアドバイスをもらったり、AIに聞いてみたりの楽しくもシンドイ日々のスタートです。
まず「箸タイマー」という言葉、表現がこの世にはまだない事の確認から始めないといけないようです(当り前じゃろが)
特許庁のHPから特許情報プラットフォームJ-PlatPat にアクセスし検索をかけます。
1件でもあったら、アウトー! なので ドキ、ドキ、ドキドキドキ

結果は「0」
あ~ 良かった~♪
さっそく特許庁から出願用紙の見本をダウンロードしよう、としたら
‘かばちゃん’が「まず、識別番号をもらうのが先ですよ。」
は?
識別番号とは、特許庁で今後の進捗の中で出願人が特定できるようにする整理番号のことでした。
まずその「識別番号付与請求書」の見本用紙をダウンロードしました。

早速記入し、特許庁長官殿に郵便で送りました。
すると数日後に特許庁の〇沢さんという人から電話が、、、、
「確認です。住所又は居所欄に書いてある、埼玉県と川口市の間に『債』の字が入っていますが、この地名でよいのでしょうか?」
ぎゃ~ 原稿は他人チェックもいれていたのに!
間違いです。すみません!と謝ると、今回は先方で削除してくれることになりました。
役所は頭が固いからてっきり書き直しを言い渡されるのを覚悟していたので、この親切な対応にはうれしかった~♪

そして、いよいよこの番号を記入するだろう「商標登録願」の見本をダウンロードしようとしましたが、特許庁のHPに書いてある文言が何が何だか分からないのでAIジェミニに音声で質問、ちょっと手間取りましたが探し出してくれました。こんな時はAIメッチャ便利ですね~♪

たくさん並んだ項目の中で、特に大切なのが【第〇類】
登録を受けようとする商標が、45種類ある商標の区分の第〇類に該当するのかを調べて回答する欄です。商標を守りたいエリアに相当し、類ごとに課金されるしくみになっています。
強力なバリアをかけたければ、お金がかかるというわけです。
ここは「教育、娯楽、スポーツ、文化活動」の分野である第41類一本でいこうと決めました。
医療や福祉などの類にも目が行ってしまいますが、そこは我慢するです。
(学会はビンボー(笑))
これが決まったら次は【指定商品(指定役務)】です。
役務は、えきむと読みます。
これは商標権で保護されるサービスの中身のことです。箸タイマーの活動は具体的になんなのか?を言葉にしていく作業になりました。ここ、シンドイけど大事なところです。
なんとか書き上げ、‘かばちゃん’チェックも合格しました。
これを特許庁に届ける方法は3つ
・今もっとも多い電子出願(申請手続きをパソコンでオンラインで行なう)
・郵送
・手渡し
もしかしたら一生に一度のことかもしれないので、最後の手渡しを選んだのでした。
記念すべき特許庁初登庁のその日は、夏の甲子園大会の準決勝でした。
この日も猛暑!早くクーラーの利いた特許庁ビルに突入したいと霞が関駅から滝のような汗を流しながら歩きました。(虎ノ門駅にすればもっと近かった)

特許庁のビルに入るには、来庁者受付票に名前と所属先情報はもちろん、訪問先や用件を記入させられます。用件のその他の所に「レストラン」と記入すれば、誰でも地下にあるレストランを利用でき、昼近くになると他の省庁からもドヤドヤとやって来るそうです。私の2回目の訪問には、このレストランも目的になってしまうのでした(笑)
鞄の中身のチェックと身分証明が終わるとゲートを通過できる「一時通行証」がもらえます。


中に入るとガラガラでした。やはり電子出願ばやりなんでしょうね。
今日の目的は「出願書類の提出」ではなく、書き上げた書類を「産業財産権相談窓口」でチェックしてもらうためです。その窓口で整理券を取ると、すぐ担当者が現れました。
その私よりも年下の女性に「初めて書き上げました。このまま郵送しても良かったのですが、あくまで念のためですがチェックしていただこうかと思いまして」と用件を告げました。
自信たっぷりに。
書き上げた商用登録願にざっと目を通した彼女は
「ダメ!」
えッ?
まずここの所なんですが、と問題のある個所を指さしながら正しい記入法を、それからここはとテキパキと浴びせてくるではありませんか。備え付けのディスクトップパソコンに記入用紙をダウンロードし直し、見本まで記入しはじめました。
「あ、これあとでプリントアウトして差し上げますから」
まず彼女が訂正してくれたのは、私が必要ないだろうと勝手に削除した部分や「、」の区切りは「,」でなくてはならないとかのお決まりの体裁の部分が主でした。
これから中身を精査するには、まず箸タイマーが何を意味するのか、その背景から現在の活動内容などを具体的に伝えることから始めることになりました。
確かに、そうでないと役務の区分などが適切かどうかなどの判断はできません。
そしてやはりこの部分を仕上げるのに時間がかかりました。


「箸タイマーは、このゲームを販売できると書いてありますね。それだともうひとつ類が必要になってしまうので削除しましょう」と、こちらの意向を汲んだアドバイスや第41類 類似商品・役務審査基準という10数ページにわたる書類をプリントまでしてくれました。その書類に悪魔のスピードで付箋をパカパカ貼り付けて、こういう所は箸タイマーさんの役務にふさわしいのではありませんか?と提案してくれました。
それまで2行程度だった「指定役務」の項目欄はたちまちのうちに5行ほどに増えました。

また、提出の際には箸学会の事務処理が楽になるよう電子化手数料も現金払いにし、受領済み領収済みの判を押せるよう願書はコピーを取ってもう一枚余分に持ち込むこともアドバイスしてくれました。
お礼を述べた帰り際に「私は〇橋といいます。なにかまだ分からないことがあったらここに電話して呼び出してください」と商標登録出願書類の書き方ガイドブックにある問い合わせ先にある内線番号に印をつけて渡してくれました。
特許庁 親切。。。
さて、ホールの椅子で一休み
ノートパソコンを開いて気になっていた夏の甲子園準決勝。
いやァ ここに来てなかったら観戦できなかったかも!
クーラー効いているし、最高~‼
昼食は地下のレストランで、どうもこの店の推しらしい油そばを注文。
魚粉と背あぶらを混ぜ混ぜしたら、こちらも最高~‼

その後、書き上げた「商標登録願」を提出のため再訪しました。相談窓口にお礼かたがた〇橋さんを訪ねましたが、残念ながらお休みでした。対応してくれた方に提出前の書面の最終チェックをお願いしました。
合格。
印紙を買う場所と、次の窓口も教えてもらい〇橋さんのアドバイス通り用意したものも確認しました。
最後に、申請結果の通知っていつ頃なんでしょうか?と聞くと
「まァだいたい6か月くらい先ですね」とスラスラと。
な、なんだと~ 半年もかかるんかい!💦
特許庁、大好きになりかけてたのになァ。。

仮称)「箸タイマー商標登録通知なんでまだ来ない物語」へ続く…かも?

<この記事の執筆者>
2022年10月より、コミー(株)から国際箸学会に出向しています。コミーでは営業を担当していました。「箸タイム」購入者に向けて講習を行ったり箸技を広げる「箸タイマー」としてお手伝いをしています。
「ぺけぺけ」は、あだ名で呼び合う「笑いヨガ教室」に参加したときに自分で付けたあだ名です。同じく出向社員の横瀬さんが「もけもけ」に決めたので、私は反射的に「ぺけぺけ」にしました。



コメント